嬉しかったこと
子育て支援の仕事で嬉しかったことの記録。
2歳のお姉ちゃんと2ヶ月の赤ちゃんを連れた、とっても明るい感じで可愛らしい笑顔のママ。
今日が2回目で、久しぶりに来た、という。
私は初めてお会いする親子さん。
お姉ちゃんのほうは遊びに誘っても、恥ずかしそうにしててなかなか心を開いてもらえず。
今日は来場者も多かったので、私は他の子と遊んでいた。
しばらくすると、その親子が親子トイレに入っていったんだけど、トイレの中でかなりの勢いで泣いてる声がする。
だいぶ泣いてるな、と思ったけれど、ないことではないので、まずは様子見で他の子と遊んでいた。
またしばらくして、また勢いのある泣き声が続いていたので、「ん?」とその声の方を見ると、トイレから出たその親子が、出入り口の外のところで、引き戸を開けたままやりとりしてる。
お姉ちゃんはわんわん泣いてて、下の子はママの抱っこ紐の中でおとなしくしてる。
室内の親子もそちらを気にしている様子。
慣れていないスタッフがへたに近寄ると、子どもによっては余計に嫌がることもあるし、ママによっては、「ほっといてください」オーラをだすこともある。
気にしながら他の子と遊びを続けていると、
「そんなに泣くなら帰るよ!」「遊びたいの?遊びたくてもそんなんじゃ遊べないでしょ!」「帰るよ!」「だっこはできないでしょ!」というママの声。「だっこして〜」「ギャ〜〜〜」という女の子の泣き声。
ママも本気で帰りたいなら、引きずってでも帰るように思うのだけど、そうもせず、、、
私もいたたまれなくなって、出入り口のほうにいくと、一緒に遊んでた子も心配そうについてくる。
ママが助けを求めているかどうかは、正直わからない。ほんとケースバイケースだから。。。
でも、正解なんてわからなくても、行動してみよう、と思った。
私がそのママだったら、イライラしている半面、泣きたいのはママだよっ、って心の中では泣き叫んでるんじゃないかと思ったから。。。
思い切って、私も外へでて、その親子のそばへ行き、声をかけた。
「遊んで行きたいのかな?」と聞くと、
「もう眠くてわけわからないみたいだから帰った方がいいかと思うんです」とママが言う。(女の子は変わらず大泣き。)
私は「ママはどうしたい?」と穏やかに聞いてみた。
正直、お姉ちゃんが泣いてても強引に帰るのが良いのか、いったん室内に戻って落ち着くまで待つのがいいか、私もわからなかった。
そしたら、ママが、すっと我に返った様子で、
「この子抱っこしてもらってもいいですか?」と下の子を指した。
「もちろん、いいですよ、いいですよ」と、親子と一緒に室内に戻り、私が赤ちゃんを抱っこして、
ママはお姉ちゃんをぎゅっと抱きしめた。。。
お姉ちゃんはすぐに泣き止み、しばらく、じーっとママに抱っこしてもらってたら、うそのように落ち着いた・・・
そうなんだよな。。。
子どもはママに抱きしめてもらいたいだけなんだな。。。
他の来場者さんとは少し離れた場所で私が赤ちゃんを抱っこしてたら、そこにママとお姉ちゃんがやってきて、ママが
「もうイライラしちゃって・・・」と話してくれた。
私が「そうだよねぇ、イライラするよぉ」とうなずくと、
ポロポロポロ・・・
とママの目から涙が・・・
そして、お姉ちゃんをぎゅーっとして
「こんなにかわいいのにね・・・」って。お姉ちゃんは、さっきとはうってかわって、ニコニコと天使のような微笑みを返してる。
パパが帰りが遅くてほとんど育児参加できてなくて、実家も県外で頼れず、なるべくお姉ちゃんの相手をしてるのに、まだ足りないのかと思う・・・家事もできない、下の子がほったらかしでそれはそれで自分を責めてしまう・・・と。
うんうんうん。ママは十分にがんばってる。お姉ちゃんのことも下の子のことも、じゅう〜ぶんに見てる。
その証拠に、2人とも、こんなにかわいい笑顔が返ってくるじゃない!
もう私は、ただただ、うんうん、よくやってるよ、私もそうだったよ、
ひろばに来るのも一苦労だと思うけど、思い切って来ていれば、だんだんお姉ちゃんも場に慣れてくるし、ママもくつろげるようになると、子どもも落ち着いてくるよ、
また来てみてね。
とお話する。
帰りにはお姉ちゃんもママも、爽やかな笑顔になっていた、と思う。
私も、下の子が生まれてからの数年間、姉妹でママ(私)の取り合いをして、しんどかったことを思い出し、胸が苦しくなる。
家にいて、子どものすべての想いを一人で受けとめなくても大丈夫だよ。
大変だけど、一歩外へでてみて、我が子を他の大人に任せてみると、少しかもしれないけど、楽になることもあるよ。
子育てひろばという場所で、例え短い時間でも、力を抜いて一息つけるママが増えるといいな。そのお手伝いができるスタッフでありたい。