「ネット断ち」「最後の家族」
最近読んだ本の覚え書き。
◯「ネット断ち 毎日の「つながらない1時間」が知性を育む」 齋藤孝
私なりにまとめてしまうと、「ネットの弊害と、文学(教養と沈潜する時間)の大切さを訴える本」。
個人的にちらっと嬉しかったのは、
「インターネットやSNSをやるのは高校生になってからでよいと思う」「高校生以上・・・ネットに触れる時間を制限したり、利用する時間帯を決めておく」というところ。
私の考えに合致していたので。
本書では、教養をつけること、教養とは深い人格に触れること、その方法としての読書を、複数の作家とその名著のあらすじや引用文から具体的に解説している。
また読書に限らずマンガでもアニメでも、深く入り込むこと、「沈潜」が大事だと強調している。
本書を読んで、私が実行したこと。
寝る前のネット時間を読書時間にし、朝の起床後も数分でも本を開く。
今のところこれがなかなかいい感じ。
自分の状態によっては、本が読めない時期もあるので、今は体調・気力ともに読書向き。今まで読んでこなかった、「深い人格」と本書で称される作家の本にも触れようと思う。
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◯「最後の家族」村上龍
通っているピラティススタジオで行われた心理学講座の講師だった、カレーやさん、兼、心理カウンセラーさんからお勧めされた本。
引きこもりで家庭内暴力を振るう主人公を中心に、主人公の家族それぞれの視点で描かれたそれぞれの人生と、家族としての人生の描写が交差して、前に進んでいく物語。
ひとつの出来事が父・母・息子・娘それぞれの視点で描かれていたり、個々の時間を描写したり、巻末の解説にもあったが、構成が素晴らしくてぐいぐい引き込まれる。
若い頃、村上春樹にはまったときに、(短絡的だけど)村上龍も読んでみよーっと手に取った小説が当時の私にとってはひどい内容で(性的描写が・・・。ものすごく極端な一冊を選んでしまったみたい。もう少し立ち読みして選べばよかったのに(-_-;;)それ以来遠ざかっていたのだけど、さすがに心理カウンセラーの方が勧めてくれる本にそっち系はないよね、と挑戦。
これが極めて真面目な筆紙で、著者のイメージが変わった。
なんといっても印象に残ったのはここ。
「親しい人の自立は、その近くにいる人を救うんです。一人で生きていけるようになること。それだけが、誰か親しい人を結果的に救うんです」
世の中のいろんな家族の問題課題の答えがここに集約されているのではないか。。。
そんなことを感じた。
とてもおもしろく、読後感もよかった。
この本に出会えたご縁に感謝。